王家の威厳

 タイ国王、ラーマ9世こと故・プミポン陛下の葬儀が

昨日しめやかに、かつ豪華絢爛に執り行われた。

各国王族や閣僚が参列した式典ではあったが、

日本でもあったように、伝統の長い国では儀式

そのものに大変な時間がかかり、弔問の賓客たちも

かなりの時間待たされることになる。

 

 今回もご多聞に漏れず、随分と待たされたようで、

式典の映像を見ていると、退屈してきた各国の

賓客たちが姿勢を崩したり、振り向いて後ろの席の

賓客と「弔問外交」を繰り広げたりする様子が散見された。

 

 その中で、とりわけ威光を放ったのが秋篠宮ご夫妻。

各国重鎮が待ちくたびれて姿勢を崩し始める中、

身じろぎもせずに背筋を伸ばしたまま、じっと順番を

待ち続けた。その姿は、さすが皇国といった威厳を

発しているような、一種神秘的でさえあるお姿だった。

 

 故・プミポン国王が、かつて「わしの息子だ!」とまで

言い切るぐらい可愛がっておられたという秋篠宮殿下、

弔問の謁見の際も、ワチラロンコン現国王との握手は

とりわけ長いものだった。まさか「義兄弟」の契りを

交わしたわけでもなかろうが、これからも両国の関係を

良好に保つ鎹となっていただけたら…

 ちなみに、アメリカのティラーソン国務長官も、

軍人あがりの見事な姿勢で順番を待ち続けていた。

やはり鍛え方が違うのか…